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【連載】リーンITと働き方改革(第一回)

働き方改革=生産性向上と働き甲斐を実現するリーンIT
2017年3月、内閣府は「働き方改革実行計画」を発表し、今や働き方改革は国を挙げての関心事になっています。「リーンIT」はこの「働き方改革実行計画」を補完する、お客様志向の組織構造、経営層と従業員の係わり(コミュニケーションとフィードバック)、人々の振る舞いと態度、等の側面に焦点を当てた考え方と手法の集まりです。

本連載では、リーンITがどのように生産性を向上し、働き甲斐につなげてくれるかを3回に分けて紹介します。
第1回「リーンの基本的な考え方」
第2回「リーンITによる生産性の向上」
第3回「働き甲斐を高めるコミュニケーションと組織文化」

【第1回】リーンの基本的な考え方
リーンはリーンITのおおもととなる考え方です。リーンITを知るには、まずはリーンの基本的な考え方を知ることが必須です。

■「人」に重きを置くリーンの考え方とリーンIT
「リーン(Lean)」とは、「贅肉がとれた」という意味です。ビジネスの分野では「経営が効率的」という意味で使われます。
トヨタ生産方式(TPS : Toyota Production System)が後に「リーン生産方式」と呼ばれるようになり、サービス分野へ(リーンサービス)、更にはIT分野に応用が広がり(リーンIT)と発展してきました。このように、リーンITはトヨタ生産方式(TPS)をルーツとする、IT分野に特化した生産革命の考え方(パラダイム)です。
世の中には、効率の良い経営を目指すさまざまな枠組み(フレームワーク)が存在しますが、その中でも、リーンITは身近なところから直ぐに始められるものと言えます。特に、その考え方がフレームワークとしてわかりやすくまとめられ、具体的なツールや手法も紹介されていることもリーンITの特徴です。

「必要な支援は無いですか?」
「何か手伝うことは無いですか?」

このような会話を職場でどれだけの人が交わしているでしょうか?これは、リーンITで示される、職場で毎日交わされなければならないマネージャ(管理者)とスタッフ(現場で働く人)の会話の一部で、働き方のパラダイム・シフトを象徴しています。つまり、マネージャとは「スタッフに指示し、管理・監督する立場」ではなく、「スタッフの働く障壁を取り除き、支援する立場」であるとしています。これにより、スタッフは働く意義を理解し、自ら考え、行動し、問題があれば管理者の支援を仰ぐようになるという良い関係が生まれていくことを目指します。

このように、リーンITは、「働き方改革実行計画」とは違った角度から、人間性を尊重しつつ、生産性と働き甲斐を向上する具体的手段を教えてくれます。

リーンITは、お客様が求める価値を創造するための考え方と手段を提供し、組織文化の変化を促します。そして、組織文化の変化に欠かせないのが、目標達成状況に関する情報の共有とコミュニケーションです。リーンITでは、情報共有とコミュニケーションについての枠組みも提供します。

■リーンの5つのキーワード
リーンは、お客様の価値を高めることを目的とした活動の考え方、仕事の流儀です。その基本的考え方は、①お客様の価値(Customer Value)、②価値の流れ(Value Stream)、③フロー(Flow)、④プル(Pull)、⑤完璧(Perfection)です。

① お客様の価値(Customer Value)
ITサービスを利用する人々にとって、ITに求める価値は、自ら為すべきことを、必要な時に、効率よく、安全に、正確に達成できることです。最新の技術、最新の製品やサービスではありません。製品やサービスの価値は、お客様だけが定義でき、製品やサービスの提供者は、お客様の求める価値を明確に理解しなければなりません。

② 価値の流れ(Value Stream)
お客様の求める価値を提供するための仕組みや活動は、通常は複数のプロセスやステップからなり、この一連のつながりを「価値の流れ」と呼びます。

③ フロー(Flow)
価値の流れが滞りの無い状況を「フロー」と言います。組織がリーンでない場合、在庫や待ち時間のために、価値の流れが停滞することがあります。リーンでは、停滞を最小にし、価値がスムーズに催促でお客様に届くことを目指します。

④ プル(Pull)
フローを実現するため、お客様からの注文がトリガー(きっかけ)となって、価値の提供を開始することを「プル」と言います。お客様からプルする(引っ張る)という意味です。

⑤ 完璧(Perfection)
これ以上改善の余地がない状態(完璧)を追求することです。標準化した方法で製品やサービスを創造し、欠陥ゼロを目指します。Right First Time(最初に正しいことを行う)、品質は工程で作り込む、源流管理などで説明されます。

リーンは、この5つの原則を含んだ製品やサービスを生むための枠組みを示します。リーンITは、この原則に基づき、どのように考え、行動するかということを具体的に示します。
次回は、リーンの原則がIT分野の生産性向上に繋がる仕組みを説明します。

◆ リーンITの詳細は下記をご覧ください:
https://www.quintgroup.com/ja-jp/insights/wp-lean-it-just-hype-or-the-next-level/
https://www.quintgroup.com/ja-jp/insights/leanitandworkstylereform2/

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Lean
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